日光国立公園は、日本で最も歴史のある国立公園の一つであり、2000m級の山々、活火山、湿原、湖など美しい自然が点在している国立公園です。
名前は「日光国立公園」ですが、そのエリアは日光だけではなく、福島県から栃木県にまたがる那須岳、矢板市と塩谷町に連なる高原山、そして栃木県から群馬県境にも延びる奥日光から日光エリアと広範囲に渡ります。
今回、8月28日~31日までの4日間、
福島県西郷村の甲子温泉をスタートし、那須岳、塩原温泉、高原山、川治・川俣温泉、そして奥日光の山々を巡り日光の世界遺産にゴールする、まさに日光国立公園を上から下まで縦断するチャレンジを行いました。
白根山から見る五色沼
まずこのブログでは、なぜこんなチャレンジをしようと思い至ったのか、そしてこのチャレンジに向けてどんな準備をしてきたのかを書いていきたいと思います。
こんなチャレンジをしてみたいと思ったのは、2年前ぐらい。
その時は男体山24時間連続登頂記録にチャレンジしていて、8往復という記録を樹立しました。男体山は日光のシンボルとも言える山で、そんな場所で自分自身の限界に挑む挑戦がだきたことは本当に嬉しいことでした。
そして、この日光という場所で、もっといろんなチャレンジができるのではないか。私がこの場所で自分自身に挑戦することが、私が日光に来た意味の一つになるのではないかと考えるようになりました。
そして、この広大な日光でどんな挑戦ができるだろうと考えていたとき、那須へ行くとそこに「日光国立公園」の看板、塩原温泉ではそこにも「日光国立公園」の看板。「日光国立公園ってこんなに広いんだな」と改めて感じ、それなら那須岳、高原山なども含めた日光国立公園という広いエリアで自分へのチャレンジがしたいと思うようになりました。
2年前から考えていたことですが、なかなか決行するチャンスがなく、そのまま時間が流れていってしまいましたが、今年コロナウィルスの影響で予定していた大会もなくなり、このチャレンジに時間が取れそうだということ、そして大会などは無くなってしまったけれどやっぱり今年も何かに向かってしっかり準備をして挑戦したいという気持ちが重なって、このチャレンジをすることにしました。
2018年男体山24時間連続登頂記録8回を樹立したとき
今回のチャレンジを行うにあたり、やっぱり一番苦労したのはルート決定。
那須岳、高原山、奥日光の山はしっかりと登山道があるのですんなりとルートは決まりましたが、その間を繋ぐルートをどうするかでとても悩みました。
ただロードだけで繋ぐのも嫌だったし、なんとか山で繋げたいけど、そうするとかなり奥地まで入って行かなきゃいけなかったり、下見に行っても藪が凄すぎてダメでまた初めからルートを探して、通りたい林道があればそこを管理する土木事務所に電話して、結局「通っちゃだめ」と言われてまた振り出しに戻ったり。
最終的なルートを決定するまではだいぶ時間がかかりました。
それでもいろんな方に下見を手伝ってもらって、なんとか今回のルートを完成させることができました。
その次に準備で大変だったことは、タイムスケジュール作りとペーサーの方の配置を考えることでした。
タイムスケジュールは自分が下見してきたタイムを元に作っていきましたが、やはり山深い場所はなるべく夜間に通るのは避けたいと考えていました。ただ、ラスト4日目の男体山は朝6時からじゃないと登れないと決められているので(男体山は夜間登山禁止)、そこにもタイムを合わせないといけない。このタイムスケジュール作りも、何度も何度もやり直して考えました。
そして、ペーサー配置。今回は完全なワンウェイコースなので、1人のペーサーの方がスタートしてくれたら、そのペーサーの方の終了地点からその人がスタートした地点まで送迎しなければいけません。でも、場所によっては山の中自体はそれほど距離はなくてもロードで行くとぐるっと回らなければいけなくて、車でもすごく時間がかかるところもあります。
今回私の旦那さんとAnswer4のコバさんがサポートに入ってくれましたが、サポートにもなるべく移動の負担をかけないように、でも満遍なくペーサーを付けられるように、登山地図とロードマップを見ながら、ときには実際にペーサーの集合場所に行ってみたりしながら、どうしたらスムーズにいくかをすごく考えました。
でも、最終的にはペーサーの方同士で車を相乗りできてくれたり、送迎し合ってくれたり、すごく気を利かせてくれて、本当に助かりました。
栃木県のランナー同士、ペーサーのみんなも仲良しです
また、長いチャレンジになるのでなるべく山でのリスクを減らすことも考えました。
もちろん山岳保険にはもともとJROに入っていましたが、今回これを機にココヘリにも加入しました。
またGPSツールのIBUKIも使わせてもらって、私やペーサーがどこにいるかがweb上でリアルタイムで分かるようにしました。このIBUKIのおかげで、サポートも私たちがあとどれぐらいでエイドに来るかも予測がつくし、遭難のリスクもだいぶ減らすことができます。また、多くの方とこのチャレンジを同じ時に共有できたので、本当に使わせてもらえて良かったなと感じています。
登山届けに関しても、これがどういった目的の山行で、誰がいつどこの山に入るかなどの資料や、細かいルートの詳細などををできるだけ分かりやすいようにまとめ、栃木県警の方に提出しました。
こんな感じで、とにかくやることはたくさんありました。
どれだけ準備しても、何かやり忘れていないか不安だし、どれだけ下見をしても当日通れなかったらどうしようとか、いろいろ考えてしまいます。
それでもできるだけ当日の不安材料を減らすため、事前にやれることはできるだけやったつもりです。
食料などに関しても、本当にコンビニや商店などもない山深い集落までサポートが来ることもあるので、なるべく事前に準備しておきました。
私はいつも100マイルレースなどでもそんなに固形物などをとる方ではないのですが、今回のチャレンジはとにかく時間が長いし、ペースもゆっくりなので、なるべくエイドではしっかり食べて休んで出発するように心がけていました。
主に用意したものは、レトルトのお粥、ご飯、カップ麺、お味噌汁、スープ、ゼリー、和菓子、コーヒーなど。
山の中ではいつものようにボトルに入れたKODAのエナジージェルとバーなどで行動していました。
KODAエナジージェルとエレクトロライトパウダー
最後にトレーニングに関してですが、このチャレンジに向けて何か特別なことをやってきたかというと、そうでもありません。
ただ、コースの下見をしながら丸一日山に入っていたり、それが2〜3日連続つづいたり。あとはトレッキングも比較的多くやってきました。
これだけの長い時間になると後半は走るよりも歩く方が多くなってくるのは分かっていたので、トレッキングの機会を増やして"歩く"ということにも体を慣れさせていきました。
旦那さんと一緒に根名草山の下見をトレッキングで。
"本物の出会い 栃木"のポーズ。栃木県民には分かるはず!笑
こんな感じでチャレンジに向けた準備は進んでいき、いよいよ8月28日当日の朝を迎えます。
続きは②那須岳へ。
Yukari Hoshino
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