このチャレンジもいよいよ3日目に突入です。
栗山区間の長いロードを終え、女夫淵駐車場で1時間ほど休憩をし、深夜1時頃にスタート。
まずは奥鬼怒温泉郷へ向けてトレイルを進んでいきます。
奥鬼怒温泉郷は日光市の中でも奥の奥。
一般車で行くことはできず、女夫淵駐車場からトレッキングで行くか、専用バスがある宿に泊まる場合はそのバスでしか行くことができない、まさに「秘湯」と言うに相応しい温泉郷です。
奥鬼怒温泉郷へのルート確認
奥鬼怒温泉郷まではおよそ4kmほどのトレイルで、そこまでアップダウンがあるわけではないのですが、やはり夜間で分かりづらいところもあり、少し迷いながらも、なんとか一番手前にある八丁の湯という宿に到着しました。
真っ暗なトレイルを歩いていると、人工の明かりはホッとします。
ここがゴールでもないし、温泉で一休みなんてこともできないけど、風情ある温泉宿の温かい灯りを見つけた時は、それだけで気持ちが楽になりました。
そこからは林道で奥鬼怒温泉郷の中を進んでいき、一番奥の日光澤温泉からいよいよ根名草山へのアタックがスタートです。
根名草山は標高2329m。
日光澤温泉からは高低差にして約1000mの一気登りになります。
なかなかの急登が続く山で、ここはキツいだろうなぁというのは想像はできていました。
でも、実際に登り始めてみると、そのキツさは想像以上。
ずっと続く急登に、さらに眠気が追い討ちをかけ、全く進んでいる気がしません。
ほとんど意識が飛んでいる中、足をただ前に出しているだけのような状態になり、ここで初めてペーサーの二人に
「すみません、3分だけ寝させてください」
と言いました。
トレイルの脇に腰を下ろして、体育座りのような状態で3分寝て、起きた時は多少はすっきりして、前に進めそうな気がするのですが、また数分すると眠気が襲ってきます。
初めのうちは耐えますが、それも我慢できなくなり、もう一度3分だけ寝させてもらい、また起きて進んでいきますが、やっぱり眠気が襲ってくる。
3分じゃダメだと思い
「すみません、やっぱりどうしても眠いので5分寝させてください」
と言ったら、ペーサーの豊嶋さんが
「そしたら、寝転がって休んでみたら?座って寝るよりそのほうが休まるよ」
と言ってくれて、下にレインを敷いてくれて、シューズも脱いで、5分間横になって眠りました。
そして目覚めると、さっきよりもスッキリ!!
その後もしばらく眠気は襲ってこず、ペースも少し上げられた感じがしました。
やっぱりちょっとの時間でも、座って休むのと体を横にして休むのでは回復具合が違うと、この時初めて体感しました。
5分間体を横たえて寝たら、スッキリ!のときの目覚めの写真(笑)
あたりもだんだんと明るくなってきて、夜明けが近づいてきました。
そして、女夫淵駐車場を出発してから約4時間後、ちょうど明け方に根名草山の山頂に立つことができました。
根名草山から見る朝日は本当にキレイなのと同時に、私が普段からよく走っている男体山などの奥日光の山々が見え始め、なんだかホームに戻ってきたなぁという感慨深い気持ちになりました。
根名草山山頂で迎えた朝日
根名草山から先は、多少のアップダウンを繰り返しながら、次のエイド地点である金精峠へ向かって尾根を進んでいきます。
明るくなって、ホームの山域にも入って、気持ちはかなり上がっていました。
途中ちょっとぬかるんだトレイルもありながらも、念仏平避難小屋を過ぎ、温泉が岳(ユセンガタケと読みます)を巻いて、金精峠が近づいてきた頃、なんだかかなり大きな音の音楽が聴こえてきました。
最初は「あれ、もしかして幻聴かな?」と思いましたが、それにしてははっきりと、しかもずっと聴こえてきて、ペーサーの二人にも聴こえてたから、やっぱりどこからか爆音の音楽が流れてきていることが判明。
なんだろうなぁと思いながらも進んでいると、尾根の上から下の菅沼キャンプ場にたくさんのカラフルなテントが見え、あそこでフェスか何かをやっていることに気づきました。
約45時間、100マイルという距離を進み続けている自分がいる一方で、音楽を聴きながらテントでゆったりとした朝を迎えている人たちがいる、というこのギャップがなんだか面白くて、全く違うことをやっている人が近い場所で同じ時を過ごしている、朝の迎え方って本当人それぞれだなって、なんだか妙に納得してしまう自分がいました。
そんなことを考えながら進んでいき、朝6時頃、無事に金精峠に到着。
金精峠はトレイル上にあり、下の駐車場からはそれなりに登ってこなければいけません。
私たちが着いた時はまだサポートは金精峠に着いてなかったのですが、しばらく休憩していると下からサポートの二人が上がってきてくれて、無事に合流できました!
旦那さんはザックに飲み物やら補給食やらをたくさん入れて急登を登ってきてくれて、本当にありがたかったです!
金精峠から見る男体山と湯ノ湖。
峠まで重い荷物を運んできてくれた旦那さん。感謝!
金精峠で旦那さんが持ってきてくれた食べ物でしっかり補給し、少し休んで、ここからはいよいよ何度も何度も通った私のホームとも言える山域です。
まずは、このチャレンジでのルートの最高地点、日光白根山2578mを目指します!
スタートから金精峠まで
距離:163km
獲得標高:9270m
時間:45時間45分
睡眠時間:1時間4分
続きは⑦日光白根山編へ
Yukari Hoshino
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